[PR] SEO対策 いちご・いちえ: 小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代【読書メモ】

2019年12月13日

小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代【読書メモ】

【読書メモ】……「読書感想文」でもなく、「レビュー」でもなく、ましてや「書評」でもない、きわめて個人的な読後感をつらつら書いておくもの。「自分が後から振り返った時にわかればいいただのメモ」です。すべてにおいて「意見には個人差があります」はお約束。どうぞご了承くださいませ。

ある意味、タイトルに偽りあり。副題の「料理研究家とその時代」が本当のタイトルかと。
料理研究家の歴史と女性史が混在している部分があり、読みにくく、盛りだくさんなところもあるが、内容は興味深い。
明治時代に誕生した料理研究家。
大正から昭和初期には、実用雑誌(主婦之友など)で都会の中流層のサラリーマンの妻を対象に、洋食の料理指南。
戦争で中断されたが、戦後、台所の進化と新しい素材、新しい料理法の流入が勢いを増し、女性の地位、意識や立場も変化。
テレビが登場、雑誌の種類が増えメディアの影響力が格段に大きくなり、料理研究家の時代が本格化。

「本書に登場する料理研究家」(7ページのマトリクス)には、以下の16人の名前が載っている。
江上トミ1899-1980 
飯田深雪1903-2007 
辰巳浜子1904-1977 
土井勝1921-1995 
入江麻木1923-1988 
辰巳芳子1924- 
城戸崎愛1925- 
村上昭子1927-2004 
小林カツ代1937-2014 
有元葉子(非公開) 
栗原はるみ1947- 
土井善晴1957- 
高山なおみ1958- 
栗原心平1978-
ケンタロウ1972-
コウケンテツ1974-
外国料理へのあこがれから、時短料理術、あえて主婦を前面に出すカリスマ主婦、和食指導の変遷、平成の男子ごはん。

個人的な話だが、私が子供の頃母がよく見ていた料理番組では、土井勝あたりが活躍していた。
母は、独身時代に料理教室へ通い、主に西洋料理を学んだようだった。
主婦になってから、雑誌やテレビであらためて覚えていたのは、土井勝的な家庭の和食。
それを見ていた私は、何か逆のような気がしていたのだが、それがどういうことなのか、わからずにいた。
本文にもあったが、昭和ケタの人たちは、親から引き継いだものがないという。
子供時代(親にごはんを作ってもらっていた時期)は、豊かでなく、戦争も始まり、落ち着かない日々。
中学、高校時代は、食糧難。
社会に出て親から離れれば、日常生活で親から受け継ぐこともない。
母の得意料理が、伝統的なものでないことに、違和感を感じていたのは、そこに理由があったのかもしれない。
そしてまた、母から私への引き継ぎもなかった。
母は、教育ママではなかったが、料理を教えることよりも、子供の勉強時間を作り出すことの方が大事だと思っていたのだろう。
私が興味を示した場合も、ほとんどやらせてくれなかったし、手伝わせようともしなかった。
手伝わせると、かえって邪魔になるのも事実だったから、それを避ける意味もあったのかもしれない。
そんなわけで、私はほとんど料理ができないまま主婦になった。
そして、自分が主婦になったばかりの頃、頼りにしたのは、村上昭子、小林カツ代、有元葉子。ここ10年くらいは、高山なおみ。
結婚して数年は、オレンジページをかかさず買って、スクラップした。
NHKのきょうの料理も、一年間はテキストを買って番組を見たし、その後も、金子信雄の楽しい夕食など、いつも録画していた。
自分では、料理は好きだと思っていたし、そこそこ普通の料理はしていると思っていたのだが、実はそうでもないことが、20年後くらいに発覚する。(この話をすると長くなるので割愛)

自身は、西洋料理へのあこがれとか、華やかな料理には、あまり興味がなかった。
それでも、結婚当初は、お客様が来たら、とか、誕生日には……などという夢もあった。
しかし、もてなさないといけないような客は滅多に来ないし、いざ来るとなっても何を作ればいいかわからず、不本意な料理でお茶を濁していた(気心の知れた友人は除く)。また、誕生日に頑張ってみても、夫は全然喜ばないし、いつしかお客が来ることもなくなり、ハレの料理、ごちそうは、作る必要がなくなった。

小林カツ代は好きな料理研究家だった。
いんげんと豚肉のしょうが煮は、今でもうちの定番レシピ。
ひとつの鍋で、ポトフと肉ロールができあがるもの(たしかきょうの料理の「20分で晩ご飯」)も、忙しい頃良く作っていた。
一方、タイトルにあるもう一人の料理研究家は、私の中では天敵(失礼!)だった。(こちら参照

家庭料理を支える仕事として成り立ってきた「料理研究家」。
女性(主婦)の助けとなるものから、生きていくために食べるすべての人を支える立場に変わってきている。
家庭の家事分担は、もめ事の種ではある。
しかし、食べることは生きること。ひとり暮らしでも、食べて生きていかねばならない。
男でも、女でも、そうでなくても、人間は、生きていくためには、ごはんが必要なのだ。
外食、中食もあるけれど、色々な意味で、それだけでは足りない。
そこをサポートしてくれるのが、これからの料理研究家なのかもしれない。

ラベル:本2019
posted by きるしゅ at 22:16| Comment(0) | 日常1810〜2003 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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