[PR] SEO対策 いちご・いちえ: まほうのふエッ!?【第二幕(その2)】(歌劇:魔笛)

2005年08月26日

まほうのふエッ!?【第二幕(その2)】(歌劇:魔笛)

【第二幕(その2)】

さて、再び、タミーノとパパゲーノ。
弁者と僧侶に導かれ、大広間の前にやってきました。まだまだ、沈黙の修行中、です。
今度は、合図のラッパの音が聞こえたら、自分たちで、次へ進むようにと言われました。
パパゲーノは、僧侶から、
「ここでしゃべると、神々が、こわーい雷で、罰を与えるぞ!」と念を押される始末。
(大丈夫なのでしょうか?なんだか、心配だなぁ。)



またふたりだけになると、しっかりと沈黙を守るタミーノに対し、パパゲーノは、つい口を
開きます。
「タミ〜ノ〜!そうずっと黙っていることないよ。それに、おいらたちは男同士なんだしさ。
それにしても、ここの人たちは、水の一滴だってくれやしないんだな。
ましてや、他のものなんてとうてい、ムリなんだろうなぁ」


すると、そこに大きな盃をお盆にのせた、たいそう、よぼよぼの老婆がやってきました。
「はーい、私の天使ちゃん!」老婆は、そう言って、パパゲーノにお盆を差し出しました。
「ええっ、盃だよ!お、おさけ、持ってきてくれたの?おいらのために?」
パパゲーノは喜んで、ぐいと飲み干しましたが、それはただの水でした。
なーんだ。お酒なわけないか。でも、まあいいや。退屈だし、おばあちゃん相手にひまつぶし
しようっと。

「ねえねえ、おばあちゃん、おいらの隣にすわりなよ。年はいくつなの?」
「はーい、18歳と2分っ」
(じゅ、じゅうはちぃ?・・・と、にふん??? 81の間違いじゃないの?)

「へえー。そんでもって、彼氏とか、いるの?」(こうなったら、からかっちゃおう)
「はい、そりゃあもう。」(おおっ、おばあちゃん、けっこうやるじゃん)

「で、彼氏はいくつなの?彼氏も18?」
「いえいえ、10歳年上なのよー」

「そりゃ、なかなか、だね!で、彼氏の名前は?」
「パ・パ・ゲ・ー・ノ♪」

「『パパゲーノ』、っていうの?そうなんだー、って、ゲゲッ!まじですか?」
あわてふためくパパゲーノに、老婆は、隣にピッタリとくっついて言います。
「そうよ、私の天使ちゃんっ!!!」

うわーん、やめてよー。パパゲーノは、その場から飛びのき、おそるおそる老婆に尋ねました。
「・・・お、お、おばあちゃん、なまえ・・・なんていうの・・・・?」
「わたしの・・・なまえは・・・・」
老婆が、答えようとした瞬間、激しい雷鳴がとどろき、老婆はあっという間に消えて
しまいました。

だから、言わんこっちゃない、といった顔つきで、タミーノが、手で合図をします。
パパゲーノは、ショックで腰をぬかさんばかり。
「ううっ、おいら、もう一言も・・・・しゃべ・・・らない・・・」



そこへ、三人のかしこい少年たちがやってきました。
それぞれ、金色の魔法の笛、銀色の魔法の鈴。そして、おいしそうなパンなどが入ったカゴを
手にしています。
「お二人の、重要アイテムは、お返しします。はいどうぞ。それから、よかったら、
これを食べてね。」
「タミーノさん、もうひとがんばり、だよ!」
「パパゲーノさんは・・・・、ちゃんと黙っててね」(また、釘をさされちゃいました)


少年たちが去っていくと、タミーノは、さっそく笛を取り、吹き始めました。
パパゲーノは、というと、さっそくパンをかじっています。
それに、水ではなくて、ワインまであるのです。
食べ物で口がふさがっていれば、おしゃべりする心配もなさそうです。

と、タミーノの笛の音にひかれて、パミーナがやってきました。
「タミーノ様、ここにいらしたの?神様は、なんて親切なのでしょう。
私をここへ導いてくださるなんて!」

ところが、タミーノは、ため息をつき、悲しい眼差しで、パミーナを見つめます。
だって、まだ、沈黙の修業は続いているのです。話すことはできません。
黙っているタミーノに、パミーナはがっかりして言いました。
「タミーノ様、どうして、お声をかけてくださらないの?もう私を愛してくださらないの?」
タミーノは、かぶりを振って(違うんだ、違うんだ!)と訴えますが、パミーナには通じません。

「ねえ、パパゲーノ。私はあの方に、何か悪いことをしたのかしら?どういうことなのか、
教えてちょうだい」
そう言われても、同じ沈黙の修行中のパパゲーノ。説明するわけにはいきません。
向こうへ行くよう、目で合図をしますが、やはりパミーナには通じません。
それどころか、パミーナはますますがっかりしてしまいました。

♪〜ああ、愛は消え失せてしまった。
喜びの時は、もう、私の胸に戻っては来ない。
ごらんなさい、タミーノ様。この涙は、あなたのために、流れるのです
あなたが、愛を感じないのなら、
やすらぎは、死の中にしか、ないのだわ。



パミーナが、その場から走り去ると、合図のラッパの音が聞こえました。
タミーノは、先へ進もうと、パパゲーノを促しますが、彼は、まだ食べ続けています。
無理やり引っぱっていこうとしましたが、てんでダメです。

「先に行っててよ。やっと自由になって、食欲もりもりなんだからさ。今食べなくて、どうするよ。
ザラストロ様の、六頭のライオンを、おいらにつないで追い立てたって、行くもんか!」
パパゲーノがむだぐちをたたいていると、なんと、本当にライオンたちが、出てきて
しまいました。パパゲーノは、びっくり仰天。
「ええーーーーーっ、た、助けて、神様ぁー、タミーノさまぁー!」

(まったく、しょうがないやつだなあ)
タミーノは、まほうの笛を吹きました。
すると、六頭のライオンたちは、おとなしく、どこかへ行ってしまいました。

「ああ、びっくりした。おいらがごちそうを食べ終わる前に、ライオンたちが、
おいらを食べ終わっちゃうところだったよ。でも、もう、行かなきゃ、だめだよねぇ」
しきりに目配せをするタミーノに、しかたなく、従おうとする、パパゲーノです。

また、合図のラッパが鳴りました。
(ほら、行かなくちゃ、パパゲーノ。ぼくは、行くからね)
タミーノは、パパゲーノを力ずくでひっぱります。
「そんなに急がなくても、おいらたちがフライにされるまでには、まだまだ時間はあるよぅ」




タミーノは、次なる場所へ、やってきていました。
まわりには、僧侶たちがたくさん並んでいます。ザラストロが、彼に声をかけました。
「王子よ、そなたの態度は、これまで男らしく、落ち着いたものであった。
これから先、そなたは、あと二つの試練を受けなければならない。
いまだ、パミーナへの気持ちに変わりなく、また、将来、賢い王になりたいと思うなら、
神々は、さらに、そなたをお守りくださるだろう。パミーナを、これへ」

パミーナが、その場に呼ばれました。
(ここは、どこかしら?おそろしいほど、静かだわ。ああ、タミーノ様はどこ?)
不安げなパミーナに、ザラストロは言いました。
「ここで、ひとめ、彼に会うがよい。彼は、最後のお別れを告げようと、ここでそなたを
待っているのだ」

なんということでしょう。
やっと会えたかと思えば、すぐに引き離され、話すらできず、ふたたび会った今、
「最後」のお別れだなんて。
「タミーノ様、あなたには、死の危険が待っていますわ」
「いや、神々は、私を守ってくださるだろう」
「でも、でも、私があなたを愛しているほど、あなたが私を愛しているのなら、
こんなに落ち着いてなんて、いられないはずだわ」
「信じてくれ、パミーナ。ぼくは、君が思うのと同じくらい、愛しているのだ」

すると、ザラストロが語りました。
「パミーナよ。、タミーノを信じるがよい。そなたたちは、また会うことができる。
だが、時が来た。今は別れなければならぬ。タミーノよ。急いで行くのだ。
また会おうぞ。」



一方、パパゲーノは、まだ外にいました。
途中まで、タミーノと一緒に来たものの、取り残されてしまったのでした。

「タミーノ!どこへ行ったんだよぅ。置いてきぼりにしないでよ。これからは、ちゃんと
一緒に行くからさぁ」
返事はありません。しかたなく、目の前の扉を開こうとしました。
すると、「さがれ!」と叫ぶ声がして、雷が落ちました。
「うへぇー、神様!おいらは、どこへ行けばいいんですかぁー」
先へ進めないなら、戻ってみよう、と、もと来た方の扉に手をかけると、また「さがれ!」
の声と共に、雷が落ちました。
「ううっ、戻ることもできないなんて。うわーん、おいら、ここで、飢え死にしちゃうのか。
もう、おなかがすいてきたよぅ。ああ、なんで、タミーノの、旅のお伴なんか、
してきたんだろう」


泣きべそをかいているパパゲーノの前に、弁者が現れました。
「これこれ、パパゲーノ。本来なら、お前は、罰せられて永久に地球の暗い谷底を
さまようことになるはずだったが、神様は、慈悲深く、お前の罰を免じてくださるのだ。
しかし、お前は、神に仕える人々の喜びは、決して味わうことができないであろう」

弁者の声に、パパゲーノは、ほっとしました。(とりあえず、助かったみたいだ)
そうなると、すぐに自分のペースに戻ってしまう、パパゲーノ。

「うん、まあ、神に仕える人の喜びは、どうでもいいよ。
とりあえず、今のおいらは、一杯のワインがあれば最高だね。」
「それだけで、よいのか?それでは、望みを叶えてしんぜよう」
と、不思議、不思議!なみなみとつがれたワインが出てきました。
「うはーっ、これは、すごいや!天国みたいだ。満足、満足。ああ、良い気分だなぁ。
でも、できれば、そうだな、おいらが欲しいのは・・・・」

♪〜娘ッ子か、カワイイ奥さんがひとり
パパゲーノは、欲しいのさ。
おいしい食べ物、飲み物があれば、この世は天国。
うっとりするような娘ッ子が
おいらを気に入ってくれたらなぁ。
その子が、キスしてくれたなら
おいらは、元気になっちゃうよ!


パパゲーノがつぶやくと、さきほどの、老婆が現れました。
「はーい、私の天使ちゃん!もしも、私に忠実を誓うなら、お前さんのカワイイ奥さんが
ぎゅーっと、抱きしめてあげますよ♪」

ええっ、また、あのおばあちゃんっ??パパゲーノは、イヤな予感がしました。
「お、お、おばあちゃん?おいらを慰めてくれるっていうんだね。あ、あ、ありがとうね。
で、でも、おいら、遠慮しておくよ。」
「そうかい?でも、ここでことわっちゃうと、お前さんは、後悔することになるかもしれないよ。
ここから、永久に出られないかも・・・・・?」
「なんだって?」
「そうさ。水とパンだけが、お前さんの食事さ。男友達も、女友達もなく、世間にも永久に、
さよならしないといけないのだよ。さあ、どうする、どうする?」

パパゲーノは、究極の選択を迫られました。
どうしよう。ザラストロ様が、用意してくださっている若くてカワイイ奥さんは?
でも、おばあちゃんに忠実を誓わないと、一生パンと水しか食べられないって・・・。
一生、孤独で過ごさなければならないって・・・・。
そんなの、絶対イヤだ。そんな暮らしをするくらいなら、おばあちゃんと一緒になった方が
ずっとマシだ。

「うん、おいら、おばあちゃんに忠実を誓うよ!」
パパゲーノは、必死の思いで、老婆にそう伝えました。
すると、驚いたことに、老婆は、とーってもかわいい女の子に変身しました。
その子は、パパゲーノと同じように、羽根だらけの姿をしています。

「パ―― パ―― パパゲーナちゃんっ!!!」

パパゲーノのテンションが、50上がった!

パパゲーノは、彼女に抱きつこうとしました。が、その瞬間、
「さがれ、娘よ。彼はまだ、お前にふさわしいものではない。さあ、こっちへ来るのだ。」
弁者は、そう言って、女の子を連れて行ってしまいました。
パパゲーノは、あわてて追いかけましたが、扉をぴしゃりと、閉められてしまいました。

ああ・・・。そんなぁ・・・・。せっかく、パパゲーナちゃんに会えたのに。
パパゲーノは、がっくりと、肩を落としました。




さて、ここは、小さな庭園。
三人のかしこい少年たちが、歌を口ずさんでいます。

♪〜やがて朝を告げるため、輝くのは太陽!
迷信は消え失せ、やがて賢い男が勝利を得ます。
優しい憩いよ、今一度、人の心へ帰りなさい。
そのとき、この世は天国となる・・・

「ねえ、あそこにいるのは、パミーナ姫だよ」
「でも、絶望に苦しんでいるみたい」
「ぼくたちが、なぐさめてあげようよ」

少年たちが、そう言いながら、パミーナに近づいてみると、なんと、彼女の手には、
夜の女王から渡された剣が!目はうつろで、ただならぬ気配です。

「ああ、この剣こそ、私の花婿なのね?お前は、私の悲しみを終わりにしてくれるのね?
私のあの方は、もはや、愛するものを捨ててしまうことができる。
そして、お母様、私はあなたのために、苦しんでいるのです。
この手にあるいとしい者よ、私はお前のものですわ!」

これは大変!パミーナは、自分に刃を向けようとしています。
少年たちは、あわてて駆け寄りました。
「おやめなさい!あなたの若者がこれを見たなら、彼は悲しみのあまり、死んでしまうよ」
「タミーノは、あなただけを愛しているよ」
少年たちの声に、パミーナは、ようやく正気に戻りました。


「なんですって?それでは、どうしてあの方は、私に話しかけてくださらなかったのでしょう」
「それは、今は言えません。でも、一緒に来てください。
そうすれば、タミーノさんが、どれだけあなたに心を捧げ、そのためには死をも
恐れていないかを、知ることができるでしょう。さあ、一緒に、行きましょう」
パミーナは、三人のかしこい少年たちに連れられて、タミーノのもとへ向かいました。



パミーナと少年たちがたどりついたのは、大きな二つの岩山があるところでした。
ひとつは、炎が燃えさかる火の山。もうひとつは、ごうごうと滝が流れ落ちる険しい山です。
そして、タミーノは、その前にいました。

鎧を身につけたふたりの男たちが、タミーノに言います。
「タミーノよ。この二つの山、火の試練と水の試練に耐えたときこそ、神の智恵を受け、
勝利を得るであろう。」
「ぼくは、死を恐れない。ただ、徳の道を進むだけです!」

タミーノが、一歩を踏み出そうとしたその時、パミーナが叫びました。
「待って、タミーノ様!」
振り返ると、そこには、パミーナがいました。
「ぼくは、パミーナと話をしてもよいのですか?」
鎧の男たちにそう問いかけると、彼らは言いました。
「さよう、話すがよい。そして、手に手を取って、この試練におもむくがよい」

やっと会えた!タミーノとパミーナは、しっかりと抱き合いました。
どんな運命であろうとも、もはや、ふたりを引き離すことはできないであろう。
たとえ、死すべき運命であろうとも・・・・・。

力を合わせ、タミーノと、パミーナは、一緒に試練を受けることになりました。

パミーナが仲間になった!



パミーナは、タミーノに言いました。
「私は、たとえどんなところでも、タミーノ様のおそばにいますわ。
私の愛は、タミーノ様を導きます。苦しみの中にも、喜びはあるのです。
そして、タミーノ様は、魔法の笛を吹いてくださいね。
この笛は、私のお父様が、千年の樫の古木から作ったのです。
稲妻が走り、雷鳴がとどろく嵐の日に、深い理由をこめられてできた、魔法の笛なのです。
それは、険しい試練の中、私たちを導いてくれるでしょう。」



鎧の男たちに見送られて、ふたりは、火が燃えさかる山へ入っていきました。
熱い風が吹き寄せ、息ができないほどです。
タミーノは、心をこめて、笛を吹きました。
パミーナは、タミーノに、ぴったりと寄り添い、ついていきます。
不思議なことに、タミーノたちの足元だけは、通り道ができて、先へ進むことができました。
こうして、無事に火の試練を終えました。

「やったぞ!」
「タミーノ様!」
ふたりは、無事を確かめ合い、抱き合って喜びをかみしめました。

しかし、よろこびもつかの間、もうひとつの試練が待っています。


今度は水の試練です。滝は水しぶきを上げ、水煙で辺りはよく見えません。
耳をつんざくような滝の音は、互いの声も聞こえないほどです。
タミーノは、祈りをこめて、魔法の笛を吹きました。
パミーナは、タミーノに、しっかりと寄り添い、ついていきます。
不思議なことに、ここでも、タミーノたちのまわりだけは、通り道ができて、
進むことができました。

やっとのことで、滝の岩山から出てくると、目の前には、門が開かれていて、
立派な神殿へと続く道が見えていました。

「ああ、神様!これこそ、あなたさまのお恵みなのですね!」


と、中から、僧侶たちの喜びの声が聞こえてきました。
「ばんざい。気高いふたりよ。危険に打ち勝ち、イシスの神の力は、そなたたちの
ものになった。さあ、神殿へ、入ってくるがいい」

こうして、タミーノとパミーナは、試練を乗り越え、僧侶たちの祝福に迎えられたのでした。
めでたし、めでたし・・・・・って?
何か忘れてはいませんか?そう!パパゲーノは、いったいどうしているでしょうか。




彼は、弁者に閉め出されてしまい、まだ、前庭にいるのでした。
もう、どうしたらよいか、わからない!!
パパゲーノは、自分のパンの笛を吹きつつ、叫んでいます。

「おーーーい!パパゲーナちゃーーーーーーーーーんっ!
おいらのカワイ子ちゃんは、どこへ行ったんだよぅ。ああ、だめか。返事はない。

なんておいらは、不幸なんだろう。そもそも、あんなに、ぺちゃくちゃ、おしゃべりしたのが
いけなかったんだ。それに、調子よくワインなんかもらっちゃって、そんでもって、
パパゲーナちゃんに出会ったりしたもんだから、おいらのちっちゃなハートは、
こげこげになって、こっちも痛けりゃ、あっちも痛い。

もう、パパゲーナちゃんに会えないなら、生きていたってしょうがないよ。
死んじゃえば、こんなつらい思いだってしなくて済むんだ。
ああ、もう、生きてなんかいられない!!」


思い詰めたパパゲーノは、手に縄を握りしめました。
「これを使って、おいら、この樹で首をくくって、樹の飾りになってやる!」
大変なことになりました。誰か止めてくれる人は、いないのでしょうか?
このままだと、パパゲーノは、ひとり、前庭の樹の飾りになってしまいます。


「ほんとに、誰もあわれんでくれないの?」
パパゲーノは、また、叫んでみました。でも、あたりは、しーんとしています。
「それじゃ、そろそろ・・・・。ん?あと、みっつ数えるまで、待ってみようかな」

パパゲーノは、パンの笛を吹きつつ、数え始めました。
「♪〜ピロロロロ〜  いーーーーーーーーーーち!」
誰も来ません。
やけくそになって、
「♪〜ピロロロロ〜  にーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!」
やっぱり誰も来ません。
もう、半べそになって、
「♪〜ピロロロロ〜  さーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん!」

「うわーん、やっぱり誰も来ないよ。もういいよ。おいら、この世におさらばするよ。
さようなら。つまらない人生だったな・・・・・」

手にした縄を木の枝にかけ、輪の中に首を入れようとしたその時、

「待って、パパゲーノ!命は、ひとつしかないんだよ」
三人のかしこい少年たちです。

「そんなこと言ったって、あの子がいないんじゃ、生きてたってしょうがないよ」
すっかりしょげかえっているパパゲーノに、少年たちは言いました。
「それなら、鈴を鳴らしてごらん?」
「それが、君のかわいい娘さんを、届けてくれるよ!」

そうだ、そうだよ。魔法の鈴のことを、すっかり忘れていた。
魔法の鈴よ、鳴り響け!おいらのカワイ子ちゃんに、会いたいんだっ。

♪〜鈴よ、鈴よ、鳴り響け。
おいらのあの子を連れてこい!

パパゲーノは、一生懸命に鈴を鳴らしました。ずっとずっと鳴らしました。
あたりに、澄んだ鈴の音が、広がっていきます。

「さあ、パパゲーノ。ふりかえってごらん!」
三人の少年たちの声に、パパゲーノが後ろを向くと、そこには、あの、かわいい、パパゲーナが
立っていました。

や、や、やったーーーー!パパゲーナちゃんだっ!!

パパゲーノは、スーパーハイテンションになった!


パパゲーノとパパゲーナは、うれしそうに、歌い踊ります。

♪〜パ、パ、パ、パ、パパゲーナ!
パ、パ、パ、パ、パパゲーノ!
キミは、おいらのカワイイ子になってくれるの?
あなたは、わたしの小鳩ちゃんになってね。
ああ、なんてうれしいことだろう。
もしも神様が、わたしたちの、ちっちゃなかわいい子供を贈ってくださるなら、
最初は、ちっちゃいパパゲーノ。
おつぎは、ちっちゃいパパゲーナ。
そしたら次は、パパゲーノ。
次はまたまた、パパゲーナ。
そしたら、ほんとに、すばらしい!たくさんたくさん、たくさーん!幸せがいっぱい!!

パパゲーノは、やっとやっと、愛しのパパゲーナちゃんとめぐり会いました。
よかった、よかった。


そのころ、夜の女王と三人の侍女たちは、モノスタトスに連れられて、神殿の奥深くへ入ろうと
していました。
あたりは、真っ暗。静かに、そっと、忍び込め。そっと、そっと、忍び込め。

「おっと、その前に、女王様。あんたの娘を、オレの嫁さんにくれるっていう、約束。
忘れちゃいないだろうね」
モノスタトスが、夜の女王に念を押します。
「ええ、もちろんですとも。約束は守ります。」夜の女王は、返事をしました。


モノスタトスが、声を押し殺して言います。
「しっ。なにやら、おそろしいざわめきが聞こえてくるぞ。かみなり?いや、滝の音か?
さあ、ここです。ザラストロがいるのは!」

「いよいよ、復讐の時が来ました。不意を襲うのですよ。さあ、ザラストロ、覚悟しなさい!」

夜の女王一同が、乗り込んでいこうとした瞬間、ものすごい雷鳴と稲妻、そして、嵐が
起こりました。
そして、あっという間に、彼らは、地底へと飲み込まれてしまいました。



その時、まばゆいばかりの太陽の光が、いっぱいに差し込んできました。
闇のベールは去り、明るい世界になったのです。

ザラストロは、宣言しました。
「太陽の光は、闇を打ち払い、邪悪な力をほろぼした」

あたたかい光。明るい世界。愛と友情につつまれ、タミーノとパミーナは、幸せいっぱい。
そして、パパゲーノとパパゲーナもうれしそう。

僧侶たちの歌声は、高く高く、響き渡っていきました。
♪〜ばんざい!清められし者たちよ。
オシリスとイシスの神よ、感謝いたします。
強きもの、清きものは、とわに栄えあれ。
美しき、叡智の王冠は、とわに輝く。


<おわり>

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posted by きるしゅ at 04:00| Comment(0) | 魔笛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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