[PR] SEO対策 いちご・いちえ: まほうのふエッ!?【第二幕(その1)】(歌劇:魔笛)

2005年08月26日

まほうのふエッ!?【第二幕(その1)】(歌劇:魔笛)

【第二幕(その1)】

ここは、神殿の中。
ザラストロは、おおぜいの僧侶たちを前に、タミーノの今後のことを、皆に、はかろうと
しています。

「ここに集まってもらったのは、他でもない。
タミーノという20歳になる王子が、徳高き心を持ってパミーナを助けようとやって来ている。
彼の徳高き心は、夜のヴェールを自ら引き裂き、まばゆく光り輝く聖なる者に目を
向けようとしている。この者を、見守り、友情の手をさしのべたいと思うが、いかがで
あろうか」

そこに集まっている僧たちが、次々と質問します。
「彼は、正しい行いができる者でしょうか」
「沈黙を守れるのでしょうか」
「慈悲深い心は、持ち合わせているのですか」

ザラストロは答えます。
「それらすべて、彼は持ち合わせていることは、私が保証する。
たしかに、彼は、我々を非難した。もともとは、夜の女王に言い含められ、悪しき先入観を
持ってここへやって来たのは、事実だ。
しかし、彼自身が、叡智や理性を身につけたなら、先入観など消えてしまうに違いない。
やさしく、貞節なパミーナのために、神々は、タミーノを与えられたのだ。

私が、夜の女王、すなわち、パミーナの母親からパミーナを引き離したのは、そのためである。
あの女は、自分の凝り固まった考えのもとに、人々を惑わし、この聖なる神殿を滅ぼそうと
しておる。断じてそのようなことはさせられぬ。タミーノは、我らと固く結ばれ、
神に仕える者として、徳には報い、悪徳を罰することを知るべきなのだ」


そこで、弁者が述べました。
「偉大なるザラストロ様、あなたのお言葉は、大変よくわかりました。
しかし、その若者は、厳しい試練にたえられるでしょうか。私は心配なのです。
彼は、王子だそうですが、今まで、のほほんと暮らしてきたとしたら、苦しみに耐えきれず、
過酷な試練にうちまかされてしまう、などということに・・・」

それに対し、ザラストロは、
「いや、まず、彼は王子である前に、人間である。そして、イシス、オシリスの神々がついて
おられる。その心配は無用じゃ」
そこまで、ザラストロが推すタミーノなる者、手をさしのべるに値するであろう。
結論が出たところで、ザラストロは宣言します。

「タミーノと、その連れの者を、神殿前の庭へ導き入れよ。そして、弁者よ。
ふたりの者に、人間である我らの聖なる義務とは何であるか、神々の大いなる力とは
何であるかを、教え説くことを命ずる」

弁者は、ひとりの僧を従えて、準備をすべく、その場から立ち去っていきました。



タミーノとパパゲーノが、弁者と僧侶に連れられて、前庭へやって来ました。
あたりは、真っ暗やみ。遠くで、雷の音が聞こえます。
頭にかぶせられていた布は、取ってもらえたものの、ふたりの重要アイテム、魔法の笛と
魔法の鈴は、取り上げられてしまっています。
不安げなふたりをそこへ残し、弁者と僧侶は、立ち去っていきました。


「パパゲーノ?そこにいるのかい?こんなに真っ暗なことってあるのだろうか」
タミーノの声に、パパゲーノが答えます。
「おいらなら、ここにいるよ。しかし、この真っ暗なのは・・・ぎゃぁー!!」
突然の雷鳴に、パパゲーノは、叫び声を上げました。
「大丈夫かい?パパゲーノ。雷が恐いのか?」
「こわいわけじゃ、ないんだけど、背中がゾクゾクするんだよ。うわぁー!!」

また、雷鳴です。確かに雷は強く鳴っていますが、パパゲーノの怖がりようは、尋常では
ありません。
タミーノは、半ばあきれて言いました。
「おい、パパゲーノ。君、男だろう?」
「お、おいら、娘っ子の方が、よかったよぅ。うぎゃぁー、おおおおお!もう、だめだぁ」
雷鳴と、パパゲーノの悲鳴が、闇の中に、響き渡ります。


そこへ、さきほどの弁者と僧侶が、たいまつを持って戻って来ると、あたりが明るくなりました。

弁者は、タミーノに尋ねました。
「お前たちは、われらに、何を求めているのだ?そして、ここで何を得ようとしているのだ?」
「愛と友情とを」
「それにより、命を落とすようなことになっても、お前は良いのか?今なら、引き下がることも
できるのだぞ」
「はい、命など、惜しくはありません。叡智の教えが、私を勝たせてくれるでしょう。
パミーナという優しい姫を得るためには!」
「それでは、すべての試練を、お前は受けようというのだな」
「はい、すべてを」
タミーノは、試練を受けることになりました。

一方、僧侶は、パパゲーノに尋ねました。
「パパゲーノ。お前も、叡智を得るために、戦うのか?」
「えー、おいら、そんなのめんどくさいよ。ただ、おいしいものをおなかいっぱい食べて、
ゆっくり寝られれば、それでいいんだ。えいちなんかいらないよ。どっちかっていうと、
えっちの方がいいな、カワイイ奥さんかなんか、いてさぁ」
「これこれ、何を言うか。我らの試練に耐えられなければ、それも叶わぬぞ」
「試練って、いったい何をするんですか?」
「われらの掟に従い、死をも恐れず・・・・」
「ほんじゃ、おいら、独身でいいや」

「ザラストロ様が、お前のために、若くてかわいい娘を預かってくださっているとしても、か?」
「若くて、カ・ワ・イ・イ!?」
「その子の名前は、パパゲーナ!」
「パ・パ・ゲ・ー・ナ ちゃんっ!?」

パパゲーノのテンションが、20上がった。

「うはー、わくわくするなぁ。おいら、その子に会ってみたいよ」
「会うことはできるが、時が来るまで、その娘とは、ひとことも口をきいてはいかんのだ。
どうだ、ガマンができるか?」
「そりゃあもう、おいら、頑張っちゃうもんね」
というわけで、パパゲーノも、試練を受けることになりました。


神々からふたりに与えられる沈黙の試練。
沈黙を守れば、幸せが待っている。
だが、女の人とひとことでも話せば、それでおしまい。
タミーノも、パミーナ姫に会うことになるが、絶対にものを言ってはならぬ。
これが、試練の始まりなのでした。




弁者と僧侶がいなくなると、そこはまた、闇の中。
タミーノとパパゲーノは、沈黙の試練の最中です。

「おーい、明かりを持ってきてくれよー。真っ暗闇は、いやだよぅ」
ぶつぶつ言うパパゲーノを、タミーノはたしなめます。
「がまんするんだ、パパゲーノ。それが、神様のおぼしめしなのだから」


しばらくすると、突然、女たちの声が聞こえてきました。
なんと、夜の女王に仕える侍女たちがやってきたではありませんか。
しかも、夜の女王本人も一緒にこの神殿へ忍び込んできたというのです。

マリィ「どうしたの?あなたがたが、こんな所にいるなんて」
ミリィ「けっして、けっして、もうここから出られないわ。タミーノ、あなたは死ななければ
ならないのよ」
ムリィ「パパゲーノ、お前は、もうダメだわ」

もうダメ、と言われて、パパゲーノはパニくってしまいました。
「いやだ、いやだ、あんまりだよぅ。おいらたち、もうだめだってぇぇぇぇぇ!」
「だまるんだ、パパゲーノ。女の人としゃべってはいけないという約束だろ」
パパゲーノのおしゃべりを止めようとするタミーノをよそに、パパゲーノは、ついつい
侍女の言葉に反応してしまいます。

「タミーノ。あなたは、もうダメだわ。
ここの坊さんたちの間違った考えを、聞き過ぎてしまったのです。あの人たちのいうことなど
真に受けると地獄に落ちると、女王様もおっしゃっておいでです」
「そりゃあたいへんだ。女王様が?あわわ、タミーノ、ど、ど、どうしようーーー」
ますますパニくっているパパゲーノに対し、タミーノは毅然として言います。
「何度言ったらわかるんだ。女王様の言葉だろうがなんだろうが、ここでは、しゃべっては
いけないんだ。パパゲーノ、自分の義務を考えて、かしこくふるまうんだっ」
タミーノとパパゲーノは、しっかり口をつぐみました。

しかし、侍女たちもあきらめません。

ミリィ「タミーノ?どうしてあなたは、話をしないの?」
ムリィ「パパゲーノも、しゃべってくれないのね。ほら、話なさいよ!」

またしても、パパゲーノは、誘惑に負けてつい、言葉を口にします。
「おいらだって、しゃべりたいんだけど・・・」
すかさず、タミーノが、「しっ!」
「しゃべったら・・・だめなんだよぅ・・・」
「おしゃべりがやめられないなんて、君の恥だぞ、パパゲーノ」
タミーノの必死の声に、パパゲーノも口をへの字に曲げて頑張ります。

その様子を見て、
マリィ「あきらめたわ。もう行きましょう。この人たちは、あてにならないわ」
ミリィ・ムリィ「そうね、この人たちは、おいて行きましょう」

三人の侍女たちが、立ち去ろうとしたその時、僧侶たちの叫ぶ声が聞こえてきました。
「聖域が汚された。そこなる女ども、地獄に落ちるがいい!」
稲妻とともに、ものすごい雷鳴がとどろき、二つの雷が落ちました。

侍女たちは、その場から地底へと消え去り、パパゲーノは、床にひれ伏しています。
「ああ、助けて、助けて、助けてーーーーーーー!」




ふたたび、弁者と僧侶がやってきました。僧侶の持つたいまつが、あたりを明るく照らします。
弁者は、タミーノに告げます。

「若者よ、よくやった。お前の男らしい毅然とした態度が勝利を得たのだ。
しかし、まだまだ厳しく危険な道を歩まねばならぬ。だが、お前は神々の助けにより、
終えることができるであろう。澄み切った心を持って、遍歴を続けるのだ。
さあ、一緒にまいろう。」
タミーノは、また、頭から布をかけられ、目隠しをしたまま、導かれていきました。

一方、こちらは、まだ床に倒れ込んでいるパパゲーノ。僧侶が声をかけます。

「これ、起きなさい。お前は何をしているのだ?」
「ううっ、おいら・・・・気を失って倒れているんだよぅ」
「まったく、しょうがないやつだな。おい、起きろ!しっかりするのだ。男らしくっ!」
パパゲーノは、ふらふらと立ち上がりながら言いました。
「でも、どうしておいらが、こんなひどい目にあわなければならないんだよ。
神様たちは、おいらに、パパゲーナちゃんを決めてくださっているんでしょう?
すんなりくれればいいのにさ。
その子を手に入れるのに、なんで、たくさん危ない目にあわなくちゃいけないんですか?」
僧侶は、けんもほろろです。
「そんなことは、自分で考えなさい。お前を連れて行くことだけが、私の役目なのだ。
はいはい、これをかぶって」
パパゲーノも、頭から布をかぶせられ、僧侶に連れて行かれました。

「あーあ、こんなにあちこちふらふらしてるんじゃあ、パパゲーナちゃんも、どっかへ
逃げちゃうよぅ・・・」




ところで、パミーナは、どうしているでしょう。
タミーノとやっと会えたのに、すぐに引き離されてしまい、またひとりぼっちになっていました。
庭園のあずまやで、悲嘆に暮れていたパミーナですが、いつしか疲れ果てて、眠ってしまって
いました。

そこへやって来たのが、あのモノスタトス。
「ちぇっ、なんでオレが、あんなおしおきを受けなきゃならないんだ。
まあ、まだ歩けるだけ良しとするか。あの娘を目の前にして、平然としていられるわけ
なかろうが。へへっ、誰も見てねえな。あの時は、へんてこな鳥のやつにじゃまされたが、
今度こそはうまくやってやろうじゃないか。キスぐらいしたって、バチはあたらねえだろうよ。
空のお月様よ、ちょっとの間、キスする間だけ、隠れてくれねえか?」
ぶつぶつつぶやきながら、モノスタトスは、忍び足で、パミーナに近づきます。

もう少しで、手が届くというところまで、近づいたとき。
雷とともに現れたのは、夜の女王。
「さがりなさい!」


その声に、パミーナは目を覚ましました。
「ああ、神様! ??? ああ、お母様、わたしのお母様!」
「私が、お前を助けるように頼んだ、あの若者はどこにいるのです?」
夜の女王の問いに、パミーナは答えました。
「タミーノ様は、神に仕える人たちに、身を捧げました」
その言葉に、夜の女王はうちふるえました。
「あの若者が、神に仕える者たちの仲間になったというのですか?
不幸な娘よ、お前は私から、永久に奪い去られてしまったのですね」

(タミーノ様があの方たちの仲間になることが、お母様と私を引き裂くことになるなんて?)
母を慕う気持ちと、タミーノを思う気持ちの間で、ゆれ動く中、意を決してパミーナは言います。
「お母様、私を守ってくださるのなら、すぐにここから逃げましょう。」


ところが、夜の女王の口から発せられたのは、次の言葉でした。
「私はもう、お前を守る力など、残っていないのですよ。
お前のお父様は、七重の太陽の環のもと、長い間この世界を支配してきました。
しかし、亡くなる少し前、大切な七重の太陽の環を、あろうことか、ザラストロに渡してしまった
のです。今、力を持っているのは、あの男、ザラストロ・・・。

お前のお父様は、最期の時、『今まで、私がしてきたように、これからは、ザラストロが
支配するであろう。もうこれ以上、言うことはない。なまじ、女の考えでよけいなことは
するでないぞ。
お前のつとめは、自分の娘と賢明な男の導きにゆだねることだ』と言いました。
でも、そんなことを私が承知するものですか!私こそが、次なるこの世界を・・・・」


(お母様とザラストロ様は、敵対していらっしゃる。タミーノ様は、今は、ザラストロ様のもとに。
私は、いったいどうしたら?)

パミーナは、不安な面持ちで聞きました。
「それでは、タミーノ様と私は、もうこれっきりになってしまうのでしょうか?」
「これっきり、これっきり、もう、これっきりぃーですかぁーって、なにを歌わせるんでしょう、
この子はっ。エエ・・・コホン・・・。夜が明ける前までに、お前があの若者を説得して、
逃げ出さなければ、彼は、僧侶たちのものになってしまうのです。
そう、お前のものにはならずに。」
「でも、愛するお母様。タミーノ様を、神に仕える人として、愛してはいけないのですか?
お父様ご自身も、神に仕える方たちと仲良くされて、いつもあの人たちのことをよろこんで
お話しされたり、ほめていらっしゃいました。それに、ザラストロ様は、本当に有徳の方ですわ。」

それを聞いた夜の女王は激怒しました。
「なんですって!私の娘であるお前が、あの野蛮な男の弁護をするというの?
それに、カタキのザラストロと手を組んで、私の破滅を狙っているような男を愛するというの
ですか?」

夜の女王は、短剣を取り出しました。
「ごらん、これは、ザラストロを倒すべく、磨かれたもの。お前は、あの男を殺すのです。
そして、太陽の環を、この手に取りもどすのです!!」

♪〜地獄の復讐が、心の中に
死と絶望が、私のまわりに
お前によって、ザラストロが死の苦しみを感じないのなら
お前は、もはや、私の娘ではない!
永遠に見捨てられ、打ちくだかれる。
聞くがよい、復讐の神々、聞くがよい、母の誓いを!


夜の女王は闇に消え去り、パミーナの手には、短剣が残されました。
「私には、できません。ザラストロ様に剣を向けるなど・・・。
でも、そうしなければ、お母様は私を勘当しておしまいになるわ!
神様、どうしたらよいでしょう!!」

「オレに任せねえか、お姫様?」
それまで、隠れて様子をうかがっていたモノスタトスが現れ、パミーナの手から、さっと短剣を
取り上げました。
「悪いが、話は全部聞かせてもらったぜ。お前の命も、お前のおっかさんの命も、今はオレの
手のうちにあるってことさ。オレが一言でも、ザラストロに言おうものなら、お前たちはここから
生きて出られることはない。お前とお前のおっかさんを救う方法はただひとつ。
オレを好きになりゃ、いいのさ」

パミーナは、恐怖にふるえました。(ああ、神様!なぜ、こんなことに・・・・)
しかし、決心して答えます。「それはできません。私の心は、タミーノ様に捧げたのですわ。」
それを聞いたモノスタトスは、激しく怒り、パミーナの手をつかみました。
「そんなことは、どうだっていいんだ。オレを愛すると言うか、死ぬか、どっちかしか、ねえんだよ」

乱暴に怒り狂っているモノスタトスに、パミーナはキッパリと言いました。
「どうしても、いやですっ!!」
「それなら、死ぬんだな!」モノスタトスが、怒鳴り声を上げた瞬間、目の前に、ザラストロが
現れました。

「ザラストロ様、この者たちは、あなた様を殺そうとしているのです。ですから、わたしが・・・・」
あわてふためいて、言い訳をするモノスタトスに、ザラストロは言いました。

「私は、よく知っているのだ。お前が、いかに腹黒いかということを。
本来なら、お前のたくらみを罰するところだが、今は、もっと重要な問題がある。
ここでお前が罰せられずに済むのは、あの女の悪い行いのためなのだぞ。
早々に、立ち去れ!」

その場を追い払われたモノスタトスは、つぶやきました。
「娘の方がダメなら、母親の方に当たってみるとするか・・・・」


パミーナは、ザラストロに懇願しました。
「どうか、お母様を罰しないでください!お母様は、私がいないことを悲しんで・・・」
ザラストロは、静かに語ります。
「私はすべてを知っておる。そなたのこと。そして母親の復讐心のこと。
そなたの母は、罰せられなければならず、そたなはそれを見届けなければならぬ。
だが、天はあの王子に、志を遂げる勇気と忍耐力を与えてくれよう。
そなたたちには、やがて幸福がやってくる。その時、そなたの母は恥じ入って、
自分の城へ戻ることとなろう。」


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posted by きるしゅ at 03:00| Comment(0) | 魔笛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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