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2005年08月26日

まほうのふエッ!?【第一幕(その2)】(歌劇:魔笛)

【第一幕(その2)】

ところ変わって、ここはザラストロの城。
囚われの姫、パミーナの見張り役のモノスタトスに仕える奴隷たちが、こそこそと話して
います。
「わっはっは。これでモノスタトスもおしまいさ」
「あのカワイイ娘っこが、逃げちゃったんだもんな」
「おらたちを苦しめているモノスタトスが、お仕置きされるなんて、いい気味だ」。
どうやら、モノスタトスとかいう男の評判は、かんばしくない様子です。
パミーナはうまく逃げ通せたのでしょうか。それならひとまず安心、かと思いきや、
モノスタトスにつれられたパミーナが、部屋の中へ入ってきました。
やっぱり逃げられなかったのです。

「ここから逃げようなんて、考えちゃあいけねえよ、お姫様」
そんなモノスタトスに、パミーナは言います。
「死ぬことは、こわくなんかありません。ただ、お母様が気の毒で。きっと悲しみで死んで
しまうわ」
パミーナは、また捕まってしまったことがショックで、気を失い、ソファへ倒れ込んで
しまいました。
悪だくみの気配たっぷりのモノスタトスは言いました。
「やい、奴隷たち、用が済んだらさっさと行きな。ここはオレ様だけで十分だ。
さあて、いいことでもはじめるか・・・」。

そんなところへ、なんと、あろうことか、パパゲーノがまぎれ込んできました。
どうにかこの城へたどり着き、様子をうかがっているうちに、こんな所まで来ていたのです。
「ここはいったい、どこなんだ?まあいいか、思いきって入っちゃおう」。
窓からこっそり部屋へ入り込むと、若くてきれいな娘が見えました。
「あれ?」と思いつつ、部屋を探っているうちに、ばったりモノスタトスと鉢合わせ。
ふたりとも、突然現れた相手にびっくり仰天。「わわっ、こりゃ、きっと悪魔だぞ!
どうぞご勘弁を!!」
驚いたモノスタトスは、その場から逃げ出してしまいました。

パパゲーノは、気を取り直して、そこにいる、若くてきれいな娘に話しかけました。
「あなたは、もしや、夜の女王様の娘さんでは?おいらは、パパゲーノ。
女王様の使いの者ですよ。」
パミーナは、それを聞くと、とてもうれしそうに言いました。
「お母様の使いですって?それに、パパゲーノ?会ったことはないけれど、
名前はよく聞いていたわ。いったい、どういうことなのかしら?」。
パパゲーノは、タミーノが侍女たちからもらった肖像画を手にして、パミーナと見比べて
います。
「ええと、この肖像画は、黒い瞳。娘さんは・・・黒い瞳っと。真っ赤な唇は、・・・・うん、
確かにそうだな。金髪は、・・・・金髪だ!」。間違いないぞ。パミーナ姫、みっけ!

パパゲーノは、パミーナに、事の次第を説明しました。
夜の女王様が、タミーノという王子にこの肖像画を託し、パミーナを救って欲しいと頼んだこと。
そして、タミーノ王子は、パミーナのことを、とーーーっても好きになっちゃったこと。
姫様を助ける案内役を、賢い少年達がしてくれるって話だけど、まだ会えなくて、とりあえず、
パパゲーノが、偵察がてらここへ来たこと。
「さあ、おっかないザラストロに見つかる前に、一緒に逃げようよ!」
「そうね、ここから抜け出しましょう。早くしないと、そろそろザラストロが、狩りから戻る
時間だわ!」
パミーナとパパゲーノは、一緒に逃げ出そうとしました。
ところが、パミーナはすぐに足をとめ、引き返しました。

・・・・でも、これが、わなだったら?この男がザラストロの手下の悪者だったら??
パミーナは、疑心暗鬼。疑いの眼差し130パーセントで、パパゲーノを見つめました。
パパゲーノが、あわてて言いました。
「ちょっと待ってくださいよ、パミーナ姫。おいらのどこが、悪者ですか?どこからどうみても、
おいらは、世界一の善人にしか、見えないでしょう!えっへん」。
パミーナは、考え直しました。
お母様から託された肖像画を持っているのだから、間違いないはずだわ。
「ごめんなさいね、パパゲーノ。気を悪くしないでね。あなたは、優しい心の人ね。
お顔をよーく見れば、わかるわ」。

きれいなかわいいお姫様に、優しい心の人、なんて言われて、パパゲーノは、ふと、
気持ちがゆるんでしまい、ついつい、愚痴をこぼします。
「こんなにやさしいおいらなのに、どうして、このパパゲーノには、まだパパゲーナが
いないのさ?
彼女いない歴は年の数。それを思うと、おいら、悲しくって悔しくって、羽根をみんなむしり
取りたくなっちゃうよ、とほほ・・・」。

パミーナは、一瞬、あららと思いましたが、そこは純粋な、かわいらしいお姫様。
優しく声をかけます。
「そんなに嘆かないで、パパゲーノ。そのうちきっと、神様が、すてきな彼女をさずけて
くださるわ!ええ、きっときっと!」

♪〜愛はすばらしい。私たちは、愛に喜び、愛によって生きる。
男と女は最高に高貴なもの。
そして、そして、神にまで至るのです〜♪

勇気づけられ、パパゲーノは、元気を取りもどしました。
さあ、こうしてはいられない!逃げなくちゃ。


一方、われらがイケメン王子、タミーノはどうしているでしょうか。
彼は首尾良く、かしこい三人の少年たちと出会い、彼らに導かれて、その場所へ
来たのでした。

そこは「神聖なる森の中」でした。道の奥には、三つの神殿があり、
右から「理性の神殿」「叡知の神殿」「本性の神殿」と名前がつけられていました。

「ねえ、君たち。ぼくはパミーナ姫を救うことができるだろうか。教えてくれないか?」
不安なタミーノが少年たちに尋ねると、彼らはこう言いました。
「この道は、あなたの目的へと導いてくれるよ。色々なことに辛抱強く耐えること、
そして沈黙を守ることができたらね。それが男らしさというものだって。さあ、若者さん。
男らしく頑張ってね」
そう言い残して、少年たちは立ち去っていきました。

ええっ、もう行っちゃうの?なんだか心配だけど、しかたない。忍耐強く、そして沈黙を
守るのが男だなんて、誰が決めたんだ?男は黙ってサッ●ロビール、っていうの、
聞いたことがあるけど、関係あるのかな。(ないない)
でも、パミーナ姫を助けるにはそうしないといけないんだな。よし、頑張るぞ!

タミーノは、右の神殿の扉を開いてみました。
すると、「さがれ!」と声が。ここじゃないのか。
次に、左の神殿の扉を開きました。
しかし、今度も「さがれ!」と言われてしまいました。また違っちゃった。
残りはひとつ。おもいっきり、扉をたたいてみました。
すると、ひとりの僧侶が現れました。

「大胆な旅人よ、お前はここへ、何をしに来たのだ」。
タミーノは、答えます。「誠と愛の姿を求めに!」。
「そのわりには、お前の顔は憎しみに満ちておるな。」さすが僧侶。鋭い洞察力です。
「ぼくが憎むのは、ザラストロという悪魔です。ここにいるのですか?」
「さよう、ザラストロはここにいる。しかし、お前は、だまされているのではないか?
もう少し詳しく、話してみなさい」僧侶の言葉を聞いて、タミーノはわからなくなってきました。
だまされているって、どういうこと?

「ザラストロは、パミーナ姫をさらったわるいヤツ。姫を助けて欲しいと夜の女王に頼まれて、
ぼくはここへやって来たのです」と僧侶に告げました。
すると、僧侶は「お前は、そのような女の戯れ言を信じているのか?ザラストロは気高い心の
持ち主であるぞ。」と言いました。
そんなこと言われたって、パミーナ姫を連れて行っちゃったじゃないか。悪い人に決まってる。

「パミーナをどこに隠したのですか。ちゃんと生きているのでしょうね?説明してくださいよ!」
ところが、僧侶は、
「今ここでそれを語ることはできない。掟を破ることはできないのだ。やがて、友情が、
聖なる場所へお前を導き、永遠の縁に結ばれるときにわかるであろう」
そう言い残し、僧侶は去っていきました。
(ここの人たちって、自分の用が済むと、さっさといなくなっちゃうんだなぁ)
また、タミーノはひとりになってしまいました。

「ああ、いつになったら、パミーナに会えるんだろう。このまま会えずに、暗い闇の中を
さまようのかなあ」。
それに答えるかのように、どこからか、声が聞こえてきます。
「それは、やがて、やがて・・・若者さん・・・」
えっ?何だって?教えておくれ、パミーナは生きているのですか?
声は、答えました。「パミーナは、パミーナ姫は、生きている」

ああ!無事でいるのか。
神様、ありがとうございます。ぼくは、ぼくは、こんなうれしいことはありません。
タミーノは、魔法の笛をとりだし、うれしさいっぱいで、吹き始めました。

♪〜魔法の笛のやさしいひびき。たえなる調べに、森のけものたちもききほれる。
たえなる調べ、澄み渡る音色。森のけものたちさえ、ああ、このように。
それなのに、パミーナ姫には、いまだ届かず、まだ会えず。
パミーナ、パミーナ、どうかこの調べを聞いておくれ!

タミーノは、笛を吹いては、耳をすまし、耳をすましては、笛を吹きます。
しかし、返事はなく、むなしさがつのるばかり。ところが、何度目かに、聞こえてきたのです。
あの聞き覚えのある、パパゲーノのパンの笛が!
「ああ、あれは、パパゲーノの笛の音だ。やったー、すごいぞ。
きっと、パミーナを見つけたんだな。
これ、本当に魔法の笛なんだ。魔法の力が、導いてくれたんだ」


タミーノの笛の音を聞いた、パミーナとパパゲーノ。こちらも大喜びです。
「タミーノさまぁー!」パミーナは、思わず叫んでしまいます。
「しーっ、姫さま、だめだよ、静かにしなきゃ。返事は、おいらの笛でするからね」
パパゲーノはパンの笛で答えます。
「うんうん、こっちの方から聞こえてくるぞ。よし、こっちだ、さあ早く早く」

ところが、突然、目の前にモノスタトスと彼に仕える奴隷たちが現れました。
モノスタトスは、かんかんに怒っています。
「ようお二人さん、なにが『さあ早く早く』だ?このモノスタトス様をだますとは、
とんでもないヤカラだ。縄で縛って、よーくお行儀を教えてやる!」。

パミーナとパパゲーノは、がっくりと肩を落としてしまいました。
ああ、もう少しだったのに・・・・。

とその時、パパゲーノは思い出しました。そうだよ、これがあるじゃないか。
パパゲーノは、魔法の鈴を取り出して、鳴らしました。鈴の音が、あたりに響き渡ります。
すると、なんと、モノスタトスと奴隷たちは、踊りながら歌い始めました。

♪〜ああ、なんとすばらしい響き。きれいな音だろう。
ラララララ〜 ラララララ〜!
こんなのは、今までに、聞いたことない、見たことないよ。
ラララララ〜 ラララララ〜!

すっかり陽気になってしまったモノスタトスと奴隷たちは、歌い踊りながら、どこかへ
行ってしまいました。

やれやれ、また助かった。すごいなあ、この鈴。魔法は、ホンモノだったんだ。
そう思った瞬間、「ザラストロ、ばんざい!ザラストロ、ばんざい!」と叫ぶ声が
聞こえてきました。
とうとう、ザラストロが狩りから帰ってきてしまいました。
どうしよう。おいらがねずみだったら、すっ飛んで逃げるよ。かたつむりなら、家の中に
すっぽり隠れるのに。
ああ、なんて言えばいいんだ?
おたおたしているパパゲーノの横で、パミーナは、キッパリと言いました。
「本当のことを言えばいいのです!」。


長い行列、そして一番後ろに六頭のライオンが引く、ザラストロが乗る車が続きます。
出迎える人々は、口々に、叫びます。

♪〜ザラストロ、ばんざい!私たちが喜んでお仕えするのはこの方です。
賢者として、すばらしい生き方をされるこの方に。
私たちは、身も心も、すべて捧げます

ザラストロが車から降り立つと、パミーナは、彼の前にひざまずきました。

「ああ、ザラストロ様。どうかお許しくださいませ。私はあなたの元から逃れようとしました。
しかし、そのわけは、あの見張り役のモノスタトスが、いやらしいことを・・・、私をいじめようと
したのです。
それで、それで・・・・。」
パミーナは、必死に説明しようとしました。
すると、それをさえぎるように、ザラストロが語り始めました。

「そこの娘、立ちなさい。詳しく語らずとも、私はそなたのすべてがわかっておる。
ある者を恋い慕っていることも。そなたに、愛を強いるつもりなどない。
しかし、今、そなたを自由にすることはできないのだ」
パミーナは、さらに訴えます。
「でも、お母様が。私がいなくなって、お母様は悲しんでいるでしょう。どうか、ひと目、
母に会わせてください」。
パミーナの必死の言葉に、ザラストロは、こう告げました。
「案ずることはない。そなたの母は、私の支配下にある者。迷わずに、私にゆだねるがいい」

そこへ、モノスタトスがタミーノをつれて、やってきました。
やっぱり彼も、捕まってしまったのです。
「ほれ、さっさとこっちへ来い。生意気なヤツめ。そこにいらっしゃるのが、我らのご主人様、
ザラストロ様だ。」

「まあ、あの方が、タミーノ様?」。パミーナは声を上げました。
「パミーナ姫、やっと会えた。夢ではないのだ!」。タミーノも叫びました。
初対面にもかかわらず、ふたりは気持ちを抑えられず、互いにかけより、
ひしと抱き合いました。
なんと大胆な若者たちであることよ。やるときゃ、やるもんです。(違う違う)
ところが、「こらこらぁー、なにしてるんだ、まったく、今の若いモンは」。
ふたりは、あっという間に、モノスタトスに、引き離されてしまいました。

モノスタトスは、うやうやしく、ひざまずきます。
「ザラストロ様、このタミーノというヤカラは、そこのヘンテコな鳥の悪だくみにより、
あなた様からパミーナをさらっていこうとしていたのでございます。そこで、このワタクシめが、
つかまえましてございます。」
ザラストロは、むろん、すべてお見通しです。
「あいわかった。お前の行動は、月桂樹に値するものである。したがって、ほうびをとらせよう」。
ザラストロは、従者に命令しました。
「この男の足の裏を、77回だけ、打ってやれ!」

ほ、ほうびなど、め、め、めっそうもございません。お気持ちだけで十分でございますぅ〜・・・・
モノスタトスは、あっという間に、その場から、連れ去られてしまいました。
居合わせた者たちは、そろって声を上げます。
「ザラストロ、ばんざい!神のごとく、公平に罰し、公平に賞賛を与える賢者よ」。

ザラストロは、厳かに言い渡しました。
「このふたりのよそ者を、試練の殿堂へ導くのだ。彼らの頭を布でおおい、まずは、清めを
行うように」。

タミーノとパパゲーノは、抵抗するまもなく、頭から布をかぶせられ、従者に手を引かれて
いきました。
その場に残されたのは、パミーナ姫です。
「ああ、タミーノ様、やっとお会いできたというのに・・・。それに、お母様のことも心配だわ」。
悲嘆にくれるパミーナ。

ああ、これからどうなるのでしょう。そして、何が起こるのでしょうか。

カテゴリ:魔笛

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posted by きるしゅ at 02:00| Comment(0) | 魔笛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

まほうのふエッ!?【第一幕(その1)】(歌劇:魔笛)

■まほうのふエッ!?(歌劇:魔笛 全二幕)■

歌劇「魔笛」(台本:シカネーダー 作曲:モーツァルト)を、
管理人なりの解釈(物語内容理解が、第一の目的)で語っています。
2005年4月6日から8月26日まで、HPの日記の中(HPいちご・いちえの「だいあり〜」)に
連載したのを、まとめたものです。

・お話は、原作に沿っています。(パロディーではありません)
・原作に出てくる登場人物の名前は、そのままです。(「侍女1」などは、勝手に作っています)
・人物の性格や細かい描写は、多少歪曲、創作を含みます。
・へんてこな描写が出てきますが、あくまで「魔笛は好き!」という視点で書いています。
(時々ドラクエ風味)
・学術的に魔笛に取り組んでいる方には、失礼なことをしているかもしれませんが、
私なりにかみ砕いて、そして、ユーモアを持って親しんでみよう、というものです。
(勉強、ではなく娯楽視点)


【登場人物】
タミーノ・・・王子
パパゲーノ・・・鳥刺し
侍女3人・・・マリィ ミリィ ムリィ
夜の女王・・・パミーナの母
パミーナ・・・姫(夜の女王の娘)
ザラストロ・・・悪い人?実は・・・



参考資料
オペラ対訳シリーズ5 魔笛 海老沢敏訳(音楽之友社)
新装版世界歌劇全集 魔笛 伊藤武雄 改訂訳(同上)


【第一幕(その1)】

あるところに、タミーノという王子がいました。
タミーノは、狩りの途中。木々がうっそうと茂る山の中を、弓矢を手に獲物を追っていました。
しかし、どうしたことか、さっぱり獲物が捕れません。今日はもう、おしまいにして帰ろう。
そう思った矢先、目の前に大蛇が現れ、いきなり襲ってきました。

大蛇の攻撃。
タミーノは、4ポイントのダメージを受けた。
王子は矢をつがえようとしますが、さきほどまでの
狩りで、すべての矢は、使い尽くしていました。

ふたたび、大蛇の攻撃。
タミーノ2ポイントのダメージ。
タミーノは、逃げ出した。(ドコドコドコ)。
しかし、まわりを取り囲まれてしまった。
蛇は追いついた。ああっ、つかまるつかまる、つかまるーーー。神様、助けてーー!

迫り来る大蛇の姿。恐怖のあまり、タミーノは気絶してしまいました。
タミーノ、絶体絶命のピンチ。
どうなる、タミーノ!


そこへやってきたのは、近くの城の侍女、マリィ、ミリィ、ムリィの3人。
それぞれヴェールをかぶり、ヤリを手にしています。危険な気配を察して様子を見に
来たのでした。

マリィ「あら、大変!こんなに大きな怪物が!」
ミリィ「若者が襲われているわ!助けなければ」
ムリィ「私たちの手で、やっつけてやりましょう」

3人は、あっという間に、大蛇を退治してしまいました。
3人とはいえ、ヤリを持っているとはいえ、ひょっとして、タミーノより強いのか。
おそるべし、侍女3人。

3人は、気絶しているタミーノの顔を見つめながら、口々に言います。

マリィ「なんて、やさしそうな若者なんでしょう」
ミリィ「こんなイケメン、見たことないわっ」
ムリィ「絵に描きたいほど美しい、お・か・お」

マリィ「ねえ、この方なら、夜の女王様のお心を救ってくださるかもしれないわ!」
ミリィ「そうね、そうだわ。この人にお願いしましょう」
ムリィ「ならば、一刻も早く、女王様に知らせなければっ」

いったいどういうことなのでしょうか。女王とは、誰なのか。タミーノに何を頼むというのか。
それは、のちのちわかること。今は、この若者のことを、女王に報告しなければなりません。
ところが・・・・

マリィ「それならば、ミリィとムリィの二人で行ってきてちょうだい」
ミリィ「そんなのダメよ。あなた方が行ってきて。私はこの方を見守っているから」
ムリィ「いえいえ、私が見ているから、お二人で女王様へお伝えして」。

誰一人として、イケメン王子のそばを離れようとしません。
まだ気絶しているタミーノそっちのけで、言い争う3人。
いやはや、女というのは、●×△■◎※×○▲・・・

「自分がここに残る」と、言い張っていた3人でしたが、らちがあかないことにようやく気づき、
結局、タミーノを残して、みんなで、女王様へ報告に行くことにしました。



侍女たちが去っていくと、ようやく、タミーノが意識を取りもどしました。
「いったいここは、どこなんだろう?ぼくは、まだ生きているのか?神様が助けてくださったの
だろうか」。
足元には、タミーノを襲った大蛇が、息絶えて、横たわっています。

辺りを見回していると、遠くから、笛の音が聞こえ、それはだんだん近づいてきて、人の姿が
見えました。
タミーノは、そっと木の陰に隠れ、様子をうかがっていました。

見ると、大きな鳥かごを背負い、パンの笛を手にした、ヘンテコな(それは、全身羽根だらけ
の)姿をした男。
笛を吹き吹き、歌いながらやって来ます。

♪〜おいらは鳥刺し、パパゲーノ。
いつも陽気に、ほいさっさ。
笛はうまいし、鳥たちゃみんな、おいらのものさ。
国中のみんなが知っている、おいらは鳥刺し。
鳥を捕るのはお手の物。
でもでも、娘っ子はなかなか捕まらない。
もしも、1ダースの娘っ子をつかまえたなら、
おいらが一番好きな子に、お砂糖やって、やさしくキスをしてもらおう〜♪

な、な、なんなんだ、アイツ。タミーノは、頭がくらくらしてきました。


「おい、キミはいったい、誰なんだい?」
タミーノは、勇気をふりしぼって、ヘンテコな羽根おとこに声をかけました。
「誰って、見ればわかるだろ、お前と同じ人間だよ」と羽根おとこは言いました。
どう見ても、ぼくと同じ人間には、見えないんだけどな、という根本的な疑問はさておき、
タミーノは続けました。

「ここは、どのあたりなんだ?それに、キミのその背中の鳥かごは・・・・?」
羽根おとこの説明によると、このあたりは、夜の女王様が治めていて、彼は、その女王様に、
美しい鳥たちを届け、代わりに、葡萄酒や、砂糖付きのパンや、いちじくをもらっている、
と言います。
もっとも、羽根おとこ自身、女王様に会ったことはなく、侍女たちを通して、だとか。


星に輝く女王様?夜を支配するえらーい女王様だって?
これはもしや、父上がよく話してくださった「夜の女王」のことなのか。
でも、狩りをしていたぼくが、どうしてお話の世界のようなところに迷い込んでしまったの
だろう。
わからない、わからない!ひょっとして、この羽根おとこも、人間ではなくて、妖精かなんか?
さきほどの、根本的な疑問がむくむくと頭をもたげ、タミーノは、抱えきれないほどの
疑問符をこめて、羽根おとこをじーーっと見つめ、じりじりと彼に近づいていきました。

羽根おとこ(彼は、パパゲーノと言います)は、元来、陽気なのんき者でしたが、
疑い200パーセントの王子の眼差しと、彼との距離が縮まっていることに、耐えきれなく
なりそうでした。
パパゲーノは、思いました。
おいら、なんだか、おっかなくなってきたぞ。さっさと、逃げちゃおっかな・・・。

「えっと、えっと、おいらに近づくなよ。もしや、お前は、おいらのことを鳥だなんて、思って
ないよな?」
と、パパゲーノは、逃げる前に、先制攻撃に出ました。
「気やすく近づいてくるなよ。お、おいらは、す、す、すごいちからを持ってるんだぞ!!」
これで、相手がおじけづかなかったら、今度こそ、逃げ出そう、と覚悟を決めていると、
タミーノが言いました。
「そうか。そのすごいちからで、この大蛇をやっつけて、ぼくを救ってくれたんだね!」

なに?大蛇?どこどこ?パパゲーノが辺りを見回すと、大蛇がぐったりして、横たわって
います。
これ、ひょっとして、もう、死んでる?ほっとしたパパゲーノは、答えました。
「そうともさ。おいらが、この手でやっつけたのさ」。
タミーノは驚いて言いました。「すごいね、キミ。武器も持っていないのに!」


その時、後ろから、3人の女の声がしました。「パパゲーノ!!!」

「あの人たちは誰?」タミーノは、パパゲーノに尋ねました。
「さっき話した、鳥と交換に、色々なものをくれる人たちだよ」。
それは、気絶しているタミーノを見つけた、侍女3人でした。

マリィ「パパゲーノ!誰が、大蛇を退治したですって?」
ミリィ「あなたが、今後、うそをつけないようにと、女王様が罰をお与えになるそうよ」
ムリィ「はい、今日は、いちじくの代わりに、この金の錠前をあなたの口にはめてあげるわ!」

自分が大蛇を退治したなどと、口からでまかせを言ったパパゲーノは、うそをついた罰として、
ぱちん、と口に、錠前をかけられ、おしゃべりができなくなってしまいました。

ムリィ「若者さん、あなたを助けたのは、私たちだったのです。そして、女王様から、
あなたへ渡すようにとこれをお預かりしてまいりました」。
そう言って、一枚の肖像画を、タミーノに差し出しました。
なんと、美しい人なんだろう!!今までに、見たことがないほど、神々しいほどに・・・・。
タミーノは、胸が、ドッキンドッキンしました。ひょっとして、これが恋?これが愛?

肖像画には、お姫様が描かれています。あろうことか、タミーノは、一目ぼれしてしまいました。
どうやら、ほれやすいタイプのようです。

その様子を見て、侍女たちは言いました。
「そのお方は、夜の女王の娘、パミーナ様。強く、邪悪な悪魔が、女王様から、姫様を奪って
いったのでございます」

そんな悪いヤツが、この美しい姫を連れ去ってしまったなんて。許せない。
よし、ぼくが、その悪いヤツから、姫を奪い返してみせるぞ!。
タミーノは、心に誓いました。


すると、突然、あたりに雷鳴がとどろいたかと思うと、星の飾りが付いた玉座に座っている
夜の女王があらわれました。いきなり、なんだ?こんなところに?

夜の女王は語りはじめました。

♪〜愛する娘を奪われたのに 私はなにもできなかった。
不安にふるえ、心おののく姿が、目に浮かぶ。
「助けて!」とあの子は叫んだのに、私はあまりにも無力だった。
どうか、どうか、あの子を助けて。
お前が、あの子を救ってやってほしい。
そうすれば、あの子は、永遠にお前のもの〜♪

そう告げると、夜の女王は、あっという間に消え去ってしまいました。


今、聞いたことは、現実のものなのだろうか。それとも、意識を失っている間の幻だろうか。
パミーナ姫を救ったら、ぼくのもの、だって???
いや、それはともかく、姫を助けに行かなければ。神様、ぼくに力をお与えください!

もはや、はやる気持ちを抑えきれないタミーノは、姫を助けに出発しようとしました。
と、その時、パパゲーノがタミーノの前に、立ちはだかりました。
金の錠前が、しっかりと口に取り付けられているパパゲーノは、「ウ、ウ、ウ・・・」とモゴモゴ
言うだけです。
「ごめんよ、パパゲーノ。ぼくは、お前のために、何もしてやれないんだ」。
タミーノが謝ると、侍女が意外なことを口にしました。

「パパゲーノ、女王様が、あなたを許してくださるそうよ」
なんと、侍女は、パパゲーノの口に付いていた、金の錠前をはずしてくれました。
「やれやれ、やっとおしゃべりができるぞ。」パパゲーノは、ほっとして言いました。
ミリィ「ええ、そうよ。思う存分、話しなさい。ただし、もう決してうそをついてはいけないわ」
「はいはい、わかってます。おいら、もう、ぜったいうそはつかないよ」


いやあ、助かった。これでもう、こんなところからは、さっさとおさらばしよう。
パパゲーノが、そんなふうに考えているかたわらで、侍女たちは、タミーノに話し始めました。

マリィ「タミーノ王子。あなたが向かうべき敵、邪悪な悪魔の名は、『ザラストロ』。
彼は、太陽の神殿に住んでいます。どうか、そこから、姫を助けてきてください!
夜の女王様のために。どうぞ、どうぞお願いします。
これで、おわかりになりましたか?なんなら、もういっぺん、言いましょうか?」

  はい
→いいえ

ミリィ「そこへの道のりは、数々の困難が待ち受けているでしょう。
どうぞ、この金の笛をお持ちください。女王様からの贈り物。魔法の笛、です。
きっとあなたを助けてくれることでしょう」
ムリィ「この魔法の笛で、あなたは、なんでもできるのです」

タミーノは、金色の魔法の笛を手に入れた!

それじゃ、タミーノ王子、せいぜい頑張ってくれよ。おいらはこのへんで、失礼しようっと。
パパゲーノがそそくさと、立ち去ろうとすると、侍女たちが、声をかけました。
「あーら、お待ちなさい。パパゲーノ。あなたにも、お仕事があるのよ。
タミーノ王子のお伴をして、パミーナ姫様をお救いするのです。」

「ええーーーっ、そんなの、聞いてないよ。
きっと、おいらは、ザラストロに羽根をむしられて、フライになっちゃうよー。
いやだよ、いやだよ。」
パパゲーノは、なんとかして、その場を逃れようと必死です。
「そんな、こわがりやさんのあなたには、はいっ、これよ!」
マリィはそう言って、パパゲーノにも、宝物を渡しました。
「困ったときにこれを使えば、きっとあなたを守ってくれるでしょう。」

パパゲーノは、銀色の魔法の鈴を手に入れた!

つづけて、三人の侍女たちは、言いました。
♪〜銀の鈴と魔法の笛は、あなたがたを守るもの。さようなら、さあ行きましょう。
さようなら、またいつか会うときまで。
進むべき道は、三人のかしこい少年たちが、教えてくれるでしょう。彼らの言葉に従うのです。
さようなら、またいつか!〜♪

パミーナ姫を助けるために、タミーノが目指すは、ザラストロの城。
重要アイテム、魔法の笛を手に、いよいよ出発することになりました。
そして、何の因果か、魔法の鈴を手にしたパパゲーノも、一緒に。

パパゲーノが仲間になった!


第一幕(その2)>>

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2005年08月25日

8月25日

■ヌーベル梅林堂の「くるみやまびこ」
いただきものの、このお菓子。キャラメルと、くるみとクッキーの三重奏です。
キャラメルはあまり好きではないのですが、これは、しっかり甘いのにしつこくなくて、
食べやすいです。くるみって、素朴なような、おしゃれなような。不思議な木の実ですね。
(ひょっとして、MPが増える?・・・ドラクエネタ・・・笑)
甘いものが苦手な夫までが「うまい!」と、ひとこと。本当においしいのです。
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2005年08月24日

8月24日

■水まんじゅう
平成9年の今日は、父の68回目の誕生日でした。和菓子屋さんの「水まんじゅう」の
のぼりに、前々から、心ひかれていた父は、母と一緒にくだんの菓子屋へ向かいました。が、あいにくお店は休み。結局、それを口にすることなく、次のお正月に父は他界しまし
た。今では、この辺りでもよく見かける水まんじゅうですが、当時はまだ、私たちにとって
は、未知の味だったのです。
次に訪れた夏に、たまたまデパートで見かけた水まんじゅうを、母と私は、迷わず
買いました。つるんとしたのどごしで、品の良いあんの甘さがここちよい。ガラスの器に
涼しさが映える夏の和菓子。水まんじゅうの「旬」は、もう少し早い時期みたいですね。
水まんじゅう発祥の地は、岐阜県大垣のようです。こちら参照。
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2005年08月23日

8月23日

■続・鉄剤
血液検査の結果、貧血症状の回復が今ひとつ、だそうで、引き続き、鉄剤を飲むことに
なりました。以前宣言した「鉄の女」(7月16日参照)になるには、まだ修行が足りないよう
ですよ(^^;)
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2005年08月22日

8月22日

■ちいさいぶつぞう おおきいぶつぞう
著者は、はなさん。
宗教の観点から仏像を見るだけでなく、こんなに自由に(人間っぽく?)見ることもできる
のだなぁ、と興味津々。半分ほど読み進めたところだけれど、後半も楽しみ。
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2005年08月21日

8月21日

■この秋の行事予定
10/2 F会発表会(フルート・声楽の伴奏。Fl三重奏+ピアノ・・・Flで参加)
10/23 K市民音楽祭(コーラス伴奏)
11/6 H公民館ふれあいまつり(同上)
11/20 フルート発表会(J.Andersen 歌劇「魔笛」より)
仕事と趣味が混在する、私の音楽生活です(笑)

今週から、ほぼ通常通りの生活に戻ります。
ここ2〜3年、秋の行事はこんな感じ。プラス、もしかしたら、実家の引っ越しをする
かもしれません。年を重ねているせいか、体力的にだんだん大変になってきていますよ。
基礎体力が欲しいと、痛切に願うこの頃です。
心と身体の準備を始めようと思うけれど、身体が重いです。(体重は、いつも重い・・・汗)

昨日に続き、今日も、自分の日。
「13・犬の日(白い宇宙の犬)」で、私の銀河の音「宇宙」の日、なのです。
昨日、今日、で、じっくり充電して、明日からに備えようと思います。
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2005年08月20日

8月20日

■「月」の日
13の月の暦では、今日は、磁気の月26日 12・月 の日(赤い水晶の月)。
「赤い月」は、自分の紋章なので、なんとなく元気が出ます。
それに、カレンダーには、満月の印が。月づくしで、パワーがいっぱいだぁ(^o^)
今夜は、空を見上げることにしましょう。
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2005年08月19日

8月19日

■サン・ティー
サン・ティーは、お日様に当てて作るアイスティー。麦茶ポットにティーバッグを入れて、
水を注ぎ、2〜3時間、日に当てるだけ。そのあと、冷蔵庫で冷やします。
フルーティーな香りがするのが、お気に入り。アップルティーのティーバッグを使うと、
さらにおいしくできあがります。詳しい作り方はこちら。
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2005年08月18日

8月18日

■イントロクイズ
「魔笛」のCDをかけたところに、ちょうど夫がやってきました。
序曲の最初の和音が鳴り、次の和音に移ったとき、夫が言いました。
「うわっ、イントロクイズだったら間違ってた!」彼は、「皇帝」(ベートーヴェンのピアノ
協奏曲の冒頭)だと思ったのだそうです。もし「皇帝」ならば、和音の次に、ピアノが出て
くるのです。最初の和音は、どちらも変ホ長調の主和音。私はというと、それすら、
気づきませんでした(^^;)「皇帝」は、好きな曲なのですが、しばらく聞いていないなあ。
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